は? Windows7への移行ですか?
わが社のシステムでは枯れた技術しか使いません。Windows7なんて10年早いです。WindowsXPのサポートがまだ2年近く残ってますよね。練り歯磨きのチューブを最後まで絞りきる。あれこそわが社のコスト管理です。私なんて液晶が壊れたノートパソコンに古いモニタ繋いで使ってます。
そういうあなたも、Windows8を使ってみればわかります。
タブレットは、これだと。
そしてそのタブレット用METROインタフェースにおまけのようについてくるデスクトップ。
レガシーなユーザのために、とか開発者は思ってるかもしれないし、へその緒のような存在としてM社社内では継子扱いされているかもしれない。だけどこれがあるからこそ、社内システムでも使える。
WindowsXPが使える状態でWindows7に移行する理由はそれほどないと看破されている諸兄も、タブレットで篭絡される。外堀を埋める、とはまた、温故知新なストラテジだねと思うでしょうが、私は、この作戦は数年後に大成功であったと高く評価されることになると見ています。
え、社内で使うにゃMETROはただの厚化粧だろ、ですか? 確かにWindows7のインタフェースで何の不自由もないのに、使い方を強引に変えさせようとするのは、なぜか。それは、ですね、METROな世界へあなたを引き込みたいから、でしょう。
ご家庭のパソコンを新しく買うときはWindows8しか選択肢がないわけで、確実に普及が進む。そこでMETROに慣れてもらえば、社内でタブレットを大量調達するときにMETROで行きましょうという空気になる。こうして、枯れた技術しか使わない企業のシステム部門でも、METROを突破口に一気にWindows8へのリプレースが進む。Foot in the door作戦、っていうんでしたっけ、先生、こーゆーの。
M社マーケティング担当の思惑に開発側がのった、そういう風に見えますけどね。確かにうまいシナリオが書けてるように見えます。
その作戦が破綻するとすれば、どのような場合か。タブレットはiPadやAndroid機でゆこうという空気が先に支配してしまう場合か。すでにスマホでAndroidとiPhoneがこれだけ普及しているから、使い方の互換性は選択意思決定におおきな影響を及ぼすでしょう。METROは間に合うのか。結構微妙なとこだと思いますが、リリースプレビュー版を使った限りでは、METROはとても魅力的だ。私はMETROを推すことにやぶさかではない。